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ようやく

ようやく_d0047297_10165626.jpg待ちに待ったチラシが届きました!

3月14日(金)~16日(日)に初台・新国立劇場小劇場で東京室内歌劇場の公演が行われます。
今回のメインはフィリップ・グラス作曲オペラ
「流刑地にて」です。
このオペラの原作はフランツ・カフカ。

私はオペラ上演の前に、第一部として設けられた「カフカ・プラス~流刑地への空想旅行」というコーナーに出演させていただきます。

今年82歳を迎えるルーマニア出身の作曲家ジェルジ・クルタークが、カフカの手紙や日記から短文を選び、それに曲をつけたものが「ソプラノとヴァイオリンのためのカフカ断章」作品24で、私は40曲の中から5曲を歌います。

1、良いことは足並みが揃う
2、私はかつて足を折った 
3、後戻りはない 
4、不快にユダヤ的な 
5、またしても

題名からは一体どんな曲なのか想像するのはかなり難しいかと・・・
楽譜を見ても最初は「あちゃー、拍子が書いてない・・・」「この小さな○やこの不思議な記号は何?」という状態でした。

珍しい記号の説明を読みながら、そして作曲家が楽譜上に書き込んだイタリア語とドイツ語の楽語を紐解きながら譜読みをしていくうちに、作曲家の意図したいことが何となく見えてきたように思います。

2005年にシェーンベルグの弦楽四重奏を歌わせて頂きましたが、あの曲はシェーンベルグが無調時代に入る直前に書いた曲で、歌詞と音がお互い独立しており、音ひとつ、シラブルひとつが同じ価値を持っているようで、音取りに悪戦苦闘した後、いざ歌詞をつけて歌おうと思った時に言葉の流れに全く音が沿っておらず、イチからやり直した経験がありました。
ですがクルタークの「カフカ断章」は、言葉のイメージと音のイメージが結びつきやすいのです。無調という世界を作ったシェーンベルグから約80年。現代音楽は確実に進化し続けているんだという実感を得ることができました。

まだ最後の曲の音取りが終わっていない段階ですが、これからヴァイオリンの方と一緒にクルタークの音楽をどのように表現して作り上げていくことができるのかとても楽しみです。

もしご興味とお時間ございましたら、是非聴きにいらして下さい!メインのオペラも「日本初演」とのこと。興味深いです。

チケットのお申込はこちらまで。ちょこっと割引できるかも。
mihokohossie@hotmail.com
by mihokohoshi | 2008-01-29 11:06 | 稽古風景