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幸福感

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初めて浜離宮朝日ホールで歌ってきました。(写真はオルガンコンチェルトリハーサルの様子)
舞台は広すぎず狭すぎず、木目の色合い、ライトのやわらかさ、舞台から見る客席の雰囲気・・・と全てが温かく感じられ、気持ちの良い舞台でした。

25、26日の2日間、午前11時からオーケストラ合わせを行いました。
15分の曲とはいえ午前中から歌うにはちょっと厳しい曲だったこともあり、なかなか気持ちがのらず、緊張からよく眠れず、最後の最後まで悩みを抱えたまま練習を終えましたが、本番前夜は2日間の睡眠不足のお陰(?)なのかぐっすり眠れ、当日の最終リハーサルは落ち着いて演奏することができました。

オルガンコンチェルトのリハーサルを見学していたら、オルガンソロのイマコさんがそれはそれはとても楽しそうににこやかに演奏されているのを聴いて、「あーー!私もこう歌いたい!」と心底願い、本番ではとにかく振り向かず、失敗を恐れず、何があっても秀美さんとオケとアンサンブルのみんなが付いている、思い切って音楽しよう!と何度も言い聞かせてから舞台へと向かいました。

足が震えるぐらい緊張していましたが、秀美さんに「まずは第一声を落ち着いてしっかりとね」と直前にアドヴァイスいただいたので、最初の♪Sa~を言われたとおり落ち着いてしっかりと歌うことだけをまず考えて、あとは秀美さんの指揮の呼吸と、夏美さん率いるオケの音楽にのせてもらいながら、「こう歌わなきゃ」ではなく「こう歌いたい!」という気持ちを持って強い心で歌い切ることができたと思います。
間奏やアンサンブルの曲を舞台上で聴いていると、音楽に浸っている!というなんともいえない幸福感に包まれ、ソリストとして立っていることを忘れそうになるほどでした。
プログラムの最終曲目交響曲44番は客席で聴かせて頂きましたが、音楽をするってこういうことなんだ!と改めて感じることができ、一緒になって興奮して心拍数が上がりっぱなしでした。
この44番が収録されたCDはコチラでお求めできます。
オーケストラ リベラ クラシカのHPはコチラです。
平日にも関わらず沢山のお客様にお越しいただき、本当にありがとうございました。

さて私が歌ったSalve Reginaは、今まで私が避けて通ってきてしまった試練が満載の曲でした・・・。「高音は苦手なの」「メリスマはちょこっとならね」というように逃げようと思えばいくらでも逃げられた試練。
秀美さんから送られた譜面を見た時「もう逃げていてはダメなんだ。ここで挑戦しておかないとダメなんだ。」と思い知らされたというか、現実を突きつけられた思いでした。
腹をくくって練習を始めましたが、その道のりは厳しく、「この曲、本当に歌えるようになるのだろうか」と楽譜を見つめるだけの日もあったり。幸い素晴らしい仲間や先輩から的確なアドヴァイスや練習方法を伝授していただき、とにかくコツコツ練習を重ねるのみでした。
本番まで5ヶ月かけて試練と立ち向かう体と心ができて、オケ合わせでは楽器のフレーズと共に音楽の方向性など多くを学ばせていただきました。こうした貴重な機会を与えてくださった秀美さんに感謝です!
本番では振り返らず突っ走ったことで失敗も沢山ありましたが、この曲と向き合ってきたプロセスと共演者の方たちから感じた音楽によって、技術云々よりも歌手としてちょっと大人になれた気がしています。

今週末はバッハの「ヨハネ受難曲」です。
こちらもカンタータクラブの先輩方と共演ということで緊張しますが、思いっきり音楽できるように頑張ります!チケットはまだございます。少し割引できるそうなのでご注文はコチラまで↓
mihokohossie@hotmail.com
まずは今日一日ゆっくり休んで緊張した体とノドをほぐしたいと思います。
by mihokohoshi | 2009-05-28 13:21 | 演奏会報告