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7月:バッハコンクールとお隣さんのDresden

2003年の7月は猛暑。
誠に残念ながら2003年の写真はPCが壊れたために存在しないので、猛暑の様子をお見せすることが出来ない。
語学の夏季講習を受けたのだが、教室があまりにも暑いので、朦朧としながらアメリカ人やスペイン人のすごくなまったドイツ語と格闘したのだった。

2004年の7月は冷夏・・・というより冬だった。マフラーと手袋が手放せなかった。
2年に一度ライプチヒで行われている「国際バッハコンクール」があり、オルガンの審査員として雅明氏、チェロの審査員として秀美氏という<鈴木兄弟さま>がライプチヒを訪れたので、何度かお食事をご一緒させていただき、私もコンクールの審査員さながら、毎日のように声楽の部を見学した。
せっかくライプチヒにいるし、声楽の部があるんだから、受けてみようかなって思ったのだけど、指定曲目の多さに断念・・・。というか、私の幅の狭い知識ではとてもとてもこなすことが出来る曲数ではなかった。
1次審査となるビデオ審査で、いきなり「エマニュエル・バッハの曲」が出ており、私は「バッハの息子さん」ということしか知らなくて、曲なんか全く聴いたこともない。確か「テレマン」も歌わなくてはならなかった。
2次審査からは、マドリガーレだのシェメッリ、マグダレーナの音楽帳だのと気が遠くなり、3次では1960年以降に作曲された現代曲も1曲歌えとあり、完全に気絶・・・。
次回気力があったら受けてみようかと思っているが、どうなるかは不明。
1次審査では、日本人が声楽部門に4名、オルガンに数名居たが、残念ながら全員先には進めなかった。
世界中に上手な人って腐るほどいるんだなぁ、などと世界レベルを痛感し、みんなで朝の3時まで飲み明かし、慰め合った。
閉店のため追い出されトラム乗り場へ行くと、道端に「バッハコンクール」と書かれた看板が転がっているではないか!「これさぁ、2次に進めなかった人が壊したんだろうね」と眺め、オルガンのある子は「私も私も!!」と叫んで、看板の上に飛び乗ったのであった・・・。酔っ払うと人は何でも出来る。
最終結果にはかなりの疑問が残り、張り出された結果の前でみんなでブーブー文句を日本語で言った。芸術に順位はつけられない。

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ライプチヒからICE(特急)で1時間、RE(普通電車)で1時間半行くと、ザクセン州の州都Dresdenドレスデンに着く。
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ちまっとしたライプチヒとは違い、歴史も冨も豊かだと感じさせる。さすがアウグスト強王(1670-1733)。
ツヴィンガー宮殿の中にある<アルテ・マイスター絵画館>や<陶磁器コレクション>は圧巻ではあるが、音楽好きにたまらないのは、やはりSemperoperゼンパーオーパーでしょう!
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2002年の夏に洪水で沈んでいたとは思えない。
↓洪水の様子を上から撮影した絵葉書を見つけた。
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今はきれいになり毎日のようにバレエ・オペラ、オーケストラのコンサートが行われている。ライプチヒから近いので、よくオペラやコンサートを見に訪れた。

7月:バッハコンクールとお隣さんのDresden_d0047297_23293211.jpgクルト・モル、V・カサロヴァ、W・マイヤーのコンサートはなんと800円!!この値段で彼かの芸術を味わうことが出来るとは本当に至福の時!
オペラは「魔笛」「カプリッチョ」「ナクソス島のアリアドネ」「ドンカルロ」「ドンジョヴァンニ」「クレオフィーデ」を鑑賞。こちらも1300円ぐらいで見ることが出来た。
↑クルト・モルのLiederabend
↓ハッセ作曲「クレオフィーデ」
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BCJで共演したバスのヨッヘン・クプファーがゼンパーオーパーの専属歌手なので、「カプリッチョ」と「ナクソス」は招待してくれたし、「ドンカルロ」は格安でチケットを取ってくれた。
貧乏留学生だったので、本当に感謝。
自宅にも招待してくれ、ズザンネ奥様やユリウス坊や、そしてディドという名の犬も紹介してくれた。ヨッヘンお手製のイチゴケーキも味わうことが出来た。ヨッヘンファンの方には私一人で楽しんでしまい、申し訳ない。

ドレスデンのもう一つの目玉はFrauenkircheフラウエン教会
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ドイツ東西統一後から復興が始まり、戦争で破壊された石を分析して、使える石は使い、足りないところは新しい石で補うという、世界一大変なパズルをしながら2004年に出来上がった。
写真左はまだ天辺を修理中。右は完成した教会。黒い石が再利用している石。

ドレスデン周辺の町も訪れたが、それはまた別の機会に紹介しよう!!
by mihokohoshi | 2005-07-03 00:03 | 思い出ぽろぽろ in Leipzig