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ライプチヒと聞いてまず頭に浮かぶのはヨハン・セバスチャン・バッハという名前ではないでしょうか?
5月:ライプチヒのバッハ音楽祭_d0047297_1525278.jpg
左の写真は、トーマス教会前のバッハ像です。
ライプチヒでは聖霊降臨祭(復活祭後の第7日曜日)の3週間前の金曜日から10日間(2005年は4月29日~5月8日)バッハ音楽祭が開かれ、世界各地から演奏家を向かえ、沢山のコンサートが行われています。
留学中、3度バッハ音楽祭を聞くことが出来ましたが、2003年は受験で訪れたらたまたまバッハ音楽祭が行われていて、何とか1公演だけ聞くことが出来ただけ。確かレオンハルト指揮で、バスのペーター・コーイがソリストとして招かれ、カンタータを2・3曲歌っていたと思います。2004年は風邪を引き寝込んでしまったので、クイケン率いる「ラ・プティット・バンド」の公演をニコライ教会で聴いただけでした。
しかし2005年5月は留学最後のバッハ音楽祭ということもあり、体調を整え、気合を入れてチケットを前もって購入し、毎日音楽三昧、いやバッハ三昧をしてきました。

まずは今回の目玉でもあったガーディナー指揮の「マタイ受難曲」。
5月:ライプチヒのバッハ音楽祭_d0047297_2221723.jpg1ヶ月前にチケットを買いに行ったらすでに売り切れの状態だったのですが、当日無事ゲット!!背中から音を聴く席で3時間ガーディナーのマタイを堪能しました。すべての曲に「祈り」というテーマが見え、とても丁寧な音楽作りをしていました。時々後ろを振り向いてガーディナーの指揮を見学しましたが、ものすごく横に流れる音楽にこだわった指揮をしていて、妙に感動!!美しかったです。教会は満員で、後半途中から酸欠に襲われましたが、しばらくしてどこかのドアが開いたのか、新鮮な空気が教会に入り、最後まで集中して聴くことができました。

5月:ライプチヒのバッハ音楽祭_d0047297_2232970.jpg2つ目の公演は、中央駅近くにある小さい教会で行われた韓国人テノールSeung-Hee Parkによるコンサート。彼とは2004年2月のバッハアカデミーで知り合いました。今回もやわらかく甘い歌声を披露し、お客さんからの温かい拍手に笑顔で答えていました。

3つ目はオペラ。J.S.バッハの末息子でモーツァルトに影響を与えたヨハン・クリスチャン・バッハのオペラ「Temistocle」がライプチヒのオペラハウスとバッハ音楽祭との共同制作で初演以来、復活上演がされました。
5月:ライプチヒのバッハ音楽祭_d0047297_2039174.jpgとにかく長いオペラで、上演時間は4時間以上・・・。しかもダカーポアリアとレチタティーヴォセッコの繰り返しという古ーいスタイルで、ちょっと退屈。演出は舞台の真ん中に浅い池があり(今流行っている演出なんだとか)、歌手はその池に裸足で入ったりしゃがんだり。その度に「バシャバシャ」と音がするので、音楽の邪魔をしていたと思います。舞台上から降る雨に濡れながら歌うという場面も。見ている方が風邪を引きそうでした!

4つ目はヴァイオリンの寺神戸亮さんによるコンサートに行ってきました。会場は旧市庁舎内にある縦長のホール。配られたプログラムに1曲追加があり、約80分の盛り沢山なコンサートでした。もうすんばらしい演奏で、耳の肥えたバッハファンも曲が終わる度に、「ほー」とため息をつき、うなずき、割れんばかりの拍手を送っていました。もちろん私のその中の一人。
5月:ライプチヒのバッハ音楽祭_d0047297_2252692.jpg以前寺神戸さんとBCJの「マタイ受難曲」でご一緒させていただいた時も感じましたが、寺神戸さんの音にはすごいPassionを感じます。今回もすべての音にエネルギーが詰まった情熱を味わい、至福の時を過ごすことが出来ました。写真は終演後に撮っていただいたものです。

さて毎年バッハ音楽祭の最後に「ロ短調ミサ」が演奏されるのですが、今年はゲヴァントハウスオケを長年指揮してきたブロムシュテットによる「ロ短調ミサ」が、トーマス教会で演奏されました。一番安い席(約1500円)を買ったら、2階で演奏しているオケの真下の席で、音もちょっと悪く、指揮者も歌手も全く見えない場所でした。
しかし、TV収録が入っていたので、至る所にライトが設置され、そのおかげで柱に写ったブロムシュテットの影を見ながら演奏を楽しむことが出来ました。5月:ライプチヒのバッハ音楽祭_d0047297_21104156.jpg2シーズン、ブロムシュテットの指揮を見てきましたが、やはり素晴らしいです。特にKyrieとDona nobisは最高!!きっちり和声感を大切に作るのだけど、音楽の流れが止まらず、内容も濃く、一緒に歌いたくなりました。もうちょっとお金を出していい席を購入し、指揮者と歌手が見られる場所にすればきっと倍楽しめたはずだとちょっと後悔しました。日本でも放送されるはずなので、見逃さないようにしないと。
来年2006年のバッハ音楽祭にはBCJがニコライ教会で演奏することが決まっているんだとか。連れて行ってもらえることを願ってやみません!
# by mihokohoshi | 2005-05-17 15:58 | 思い出ぽろぽろ in Leipzig